先月24日の朝日新聞の記事が目に留まった。
「【私の視点】 ◆裁判員制度 要約筆記による模擬裁判を 税理士 遠藤良明氏」読まれた方も多いかと思う。
筆者の遠藤氏は、中途失聴者であり、日頃は要約筆記を利用されている。
裁判で使われる専門用語に習熟した要約筆記者の不足を含め、要約筆記の問題と課題についても
的確に述べられていた。
内容については、同じように注目された方の
ブログ(裁判所速記官制度を守る会)があった。
本文のテーマに沿って、そちらの方が適切だと思う割れるのでここでは割愛する。
昨年度末、長野市とデフネット共催の説明会の席上、
「昨年度のパソコン要約筆記の派遣実績数は13件」
という数字が、デフネット所長から発表された。
これは、同時に発表された手話通訳の実績数の0.1%にも満た無い数字である。
「社会に、パソコン要約筆記が認知されていないから」
というのが、所長の評価であり、同席していた福祉課職員の評価も同じ様子だった。
本当にそうだろうか?
そんな薄っぺらな評価で終わらせてよいのだろうか?
デフネットには、コミュニケーション支援事業費として、
年間1,000万円以上の
税金が長野市から拠出されている。
内、600万円程度が派遣に掛る費用として割り当てられている。
にも関わらず、中途失聴者・難聴者のための派遣費として、実際に使われている額は
その1割にも満たない。
殆どをろう者のための手話通訳派遣に使われていることになる。
手話通訳派遣が、悪いということではない。
まだまだ十分な支援がなされているとは思えないし、必要であれば限られた予算を
有効に利用することは当然のことだ。
長野市の聴覚障害者に占めるろう者の割合は、99%なのだろうか?
中途失聴者者・難聴者の割合は、そんなに少ないのだろうか?
本来この数字は、デフネットで知っていてよいはずの数字だと思うのだが、
以前問い合わせた時には、
「市から知らされていないから分からない。知りたければ福祉課に聞け」
と言われてしまったのだけれど。
割り当てられた予算の中で、先の数字は余りに不公平ではないだろうか?
本当に、実態にあっているのだろうか?こう疑問に思うのは、自然なことだと自分は思うが、福祉課もデフネットも疑問の欠片すら
抱かないのは何故なんだろう?
先日このブログでも触れたが、ホール会場での集会の主催者へ派遣依頼を打診し、
長野会場のみでは、あったが手話通訳が派遣されることになった。
そう、残念なことに要約筆記は派遣されなかったのだ。
この事例は、所長の言葉通り、認知されていないことを裏付けている。
ただ、派遣依頼をされた主催担当者に対し、要約筆記についての説明が一切なされなかった
という事実を忘れてはいけないと思う。
派遣依頼元から「手話通訳」という言葉しか出なくても、場所や趣旨などから推測して
「要約筆記は必要ありませんか?」という提案の一言があれば、
「では、要約筆記もお願いします」となったであろうことは、主催担当者との会話から感じ取れた。
長野市では、これまでの経緯から、中途失聴者者・難聴者の声が行政へ届きにくいのは
確かであり、支援事業としても立ち遅れているのが実情だと思う。
だからこそ、先のような派遣依頼の機会に、説明と理解を求めていく努力が必要なのでは
ないだろうか。
冒頭に紹介した記事で、長野市の問題や課題は全国レベルであることを示していると
自分は感じた。
全国市レベルで問題提起されたこの機会は、もう一度長野市のコミュニケーション支援の
あり方や取り組み方を考えなおす良い機会でもあると思う。
長野市と事業を委託されたデフネットには、
「真に公平なコミュニケーション支援事業を行う責務」
があり、行動で示す義務があると思う。
theme : 派遣事業
genre : 福祉・ボランティア